秋華塾

五箇条の御誓文の意味、特に最初の『万機公論に決すべし』の意味の捉え方がおかしいと思ったので、まとめたいと思いました。
意味を検索すると、『天下の政治は世論に従って決定すべきである。』となっています。
これって違いますよね。
世論というのは簡単に左右に振れるもので、それに振り回されて決定していたら政治になりません。
正しいと思われる意味を私なりに考えて記しておきたいと思います。


一 広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スベシ
（広く会議を興し、万機公論に決すべし。）
政治の全てはみんなで話し合いをして決めましょう。

一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フヘシ
（上下心を一にして、さかんに経綸を行うべし。）
どんな立場の人も心を一つにして、国家国民の為の政策を実行しましょう。

一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス
（官武一途庶民にいたるまで、おのおのその志を遂げ、人心をして倦まざらしめんことを要す。）
官人武人庶民全ての国民は、それぞれの役割や志を達成し、心から満足できるようにしましょう。

一 旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ
（旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし。）
今までの悪い慣習を見直し、世界の常識に沿って言動を行いましょう。

一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ
（智識を世界に求め、大いに皇基を振起すべし。）
世界から多くを学び、天皇を中心とした日本国を発展させていきましょう。


私の解釈では、概ね今にも通じる良い事を言っていますよね。

まず、全ての国民は国家国民を想い、国を良くして行こうという統一意識を持つように言われています。
つまり政治に関心がないとか、国はどうでもいいとかそういうのは駄目で、民主主義はみんなで造る国であるという自覚を持ち、責任も持とうと言っているわけです。
そして今の政治制度で言うならば、何かを決定する場合は、『政治家みんなでしっかり相談して決める』よう言っているわけです。
国民全てで相談はできないので、その代表者が決めるわけですね。
そしてそれ以外の人も、それぞれの仕事に邁進して満足を得られる国にしていこうと言っています。
その時頭にいれておく事として、日本の事だけでなく、世界の中の日本であるという事を忘れず、考えましょうとしています。
そして世界には日本よりも優れた所が沢山あるので、良い所はドンドン取り入れましょうというのです。

大切な事をまとめると‥‥
①すべての人が国を造り支えているという自覚を持つ事。
②自分の利益ではなく、国民みんなが幸せになれるよう心掛ける事。
③世界の中に日本があるという事を忘れず、世界の常識に沿って考える事。
④悪い所は見直し、良い所は見習う事。
⑤大切な事を決める時は、みんなで相談して決める事。